夢の功罪

夢の功罪

秋一題

アートギャラリーまなりやの隣家が知らぬ間に改装して、おしゃれなスイーツ中心のレストランになっている。板戸を床に転用した廊下の向こうに開け放しのアーチ型のドアーがあって、まなりやに展示中の作品を直に眺めることができる。天井の開いたパテオのテーブルには七色のショートケーキと大振りなグラスに空を映したフレッシュサワーが揺れている。銀のフォークで一切れ口に放り込む。思ったより甘くない。ほんのり日向の味がする。
若いころは豪華な食事も、食べる前に目が覚めたものだが、近頃は一口ぐらいなら食べることができている。これも一種の年の功かと思っていたが、そうではないような気がしてきた。消化力低下による胸のつかえや胃のもたれ感によって、ストーリー展開がゆがめられているのではないのだろうか?と。急に冷えこんだ秋の夢でした。



アートギャラリー まなりや
大阪府枚方市。京阪本線 牧野駅から徒歩3分のアートギャラリー。

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