桜島を観に行く
桜島を観に行く
最悪!
桜島が見たくて二泊三日の南九州旅行へ。開聞岳→知覧武家屋敷群→仙巌園→桜島→鵜戸神宮→青島、とお決まりのコースを添乗員さんの後ろをついて回る晴天の三日間でした。
絵を描く者として桜島は見ておきたいし、『日本の歴史』全巻読破に挑む身としては(古事記)ゆかりの鵜戸(うど)神宮は外せないポイントなのでした。
ところが、年は取りたくないもの、事は思うように運びません。
仙巌(せんがん)園内の茶店で桜島を遠望しつつ、優雅な気分でぜんざいを食べたのですが、餅に引っ張られて歯の詰め物が取れてしまいました。桜島どころか阿蘇山レベルの噴火口が突如、口の中に出現したわけです。しかも外輪山は鋭利な刃物のごとく立ち上がっており、舌の側面を容赦なく攻撃し始めたのです。柔らかい小豆の一粒でさえ前歯でやさしくはさんで飲み込む始末。『最悪!』と叫ぶのはこんな時なのでしょうね。なんせ、このツアーのタイトルが『ブランド牛「宮崎牛」含むフルコースをご賞味!!名湯指宿温泉 鹿児島・宮崎3日間』であり、しかもその豪華な?ディナーは今夜の予定なのですから。
最悪の中にもいくつかの気づきがありました。初冬の風景の中でツワブキの花がいいアクセントになっていたこと。自宅の庭にも植えてみたい。
もう一つ、桜島です。多くの画家に好まれる画題の山であるが故の宿命かもしれませんが、先入観をもって見てしまう。過去にみた絵画がちらついてしまう。自分らしい桜島を描くのがいかに困難を伴う作業か容易に想像がつくのでした。
こんなにも固定観念にがんじがらめになっている自分を発見するというのも旅行の効能、現場に足を運べばこその気づきかもしれませんね。これは最悪というより最高というべきか。
知覧武家屋敷の三叉路。ツワブキの花と濃い緑が気に入る。
武の神様、スサノオノミコトを祭る釜蓋神社。釜の蓋を頭にのせて歩くのは断念する。勝負ごとに弱い理由が判明した瞬間。
途中立ち寄った黒酢の里。信楽の大きな黒い甕がよかった。中身より欲しくなる。
ぜんざいで 歯欠けになりぬ 仙巌園
鵜戸神宮は外も内もいい。おっぱいを2回も撫でた。
アートギャラリー まなりや
大阪府枚方市。京阪本線 牧野駅から徒歩3分のアートギャラリー。