繰り返しは毒か薬か

繰り返しは毒か薬か

次回の展示会に向けて奮闘中

タイトルの『繰り返しは毒か薬か』は、次回展示予定の《one sentence展》のために製作している13作品のうちの一つです。どうしてこんな意味不明のタイトルなのかは、後日説明させていただくとして、この作品の制作過程で新しい発見がありました。

作品は、40号くらいのベニヤ板に(毒)と(薬)を漢字でひたすら交互に描き続ける、というものです。繰り返しとはこういうものだろうと始めたのでした。鉄筆で一行70字ほど掘るように書き込んでいったのですが、前腕の疲労感が半端ではありません。毒か薬か、結論を得る前にテニス肘になると判断し、一日10行までに制限しました。

一週間ほどして完成に近づいたころ、ふと作品を見渡して、不規則にうねりながら刻まれた文字列の繰り返しの中に、不思議な(美)を感じたのでした。
冬の田んぼに残された稲の切り株の、微妙に不規則な繰り返しの美しさに似ていると思ったのです。

人が手を加えた痕跡の、繰り返しのパターンの中に(美)を感じとるのはなぜでしょうか?これはじっくり腰を据えて考えなければならない問題のように思います。



アートギャラリー まなりや
大阪府枚方市。京阪本線 牧野駅から徒歩3分のアートギャラリー。

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